4月17日

突然遭遇した交通事故からちょうど1ヶ月後の4月17日、いつものように病院に行き、夕方に実家を訪れると、部屋に祖父がいなかった。
危篤となり緊急入院したとの話だった。

急ぎ病院へと向かう。

ベッドの上の祖父は呼吸器を付け眠っていた。
呼びかけにも反応しない。ただ呼吸器により息をしているだけ。
呆けていろんなことを忘れていったが、最後まで私のことは分かっていた祖父だったが、結局亡くなるまで意識が戻ることはなかった。

実家に戻ると二親からこんなことを言われた。

「落ち込むとかわいそうだから、ばぁちゃんとお前の子供は見舞いに連れて行くな」

私はこの言葉が理解できなかった。
本人の意志はいいのか?
かわいそうかどうかは周りが決めることなのか?
それは単に落ち込ませたら自分が悪いことをしたと思うから言っているだけではないのか?

だから私は祖母に訊いた

私「じさまいなくなっただろ?」
祖母「今日は見てないね」
私「病院に入院している。良くないみたいだ」
祖母「はぁ…」
私「どうする?会いに行くか?」
祖母「…行きたいね」

私の子供も同じ答えだったので、私は二親の言葉を無視して祖父の入院する病院に連れて行った。

祖母は祖父を見て顔を撫でて、

祖母「もう駄目だね」

と言った。

帰りに車の中で祖母は言った。

祖母「あれはもう長くないね…駄目だね…近い内にそうなるから、悪いけど葬式とかお願いね…ばぁちゃんはもう弱って座っていることも辛いから全部任せるよ…」

祖父は2008年4月26日に亡くなった。

祖母は葬儀には出ず、棺に入った祖父の顔を何度か眺めただけだった。

祖父母の通院のために買ったスズキのパレット。
納車から半月で事故に遭い、そのまま廃車となり、それに一度も乗ることなく祖父は死んだ。
葬儀の合間にも通院しなければならないのが苦しかった。

銀のパレットと白いパレット

教職員共済が用意していて代車のパッソは30日で返却することとなった。
まずは加害者にも話をしておこうと電話をかけてみました。
しかし呼び出し音は鳴るものの、加害者はいっこうに電話に出ません。
そこで私はディーラーへ相談に向かいました。
代車は教職員共済が私のディーラーに連絡して手配させる、という手段で私に渡っていたので、どのみちディーラーに行かねばなりません。またそもそも事故に遭った車の代わりとなる車の購入の話で会うことになってもいました。

店舗に到着すると、私の担当の店長は教職員共済とのことをすでに知っているらしかった。

店長「代車の返却期限が迫っていますよね」
私「そうみたいですね…私はそんな説明聞いてなかったんですが」
店長「そうですか…ところで新しいお車をご購入されることをお決めいただいたとか」
私「はい…なんとか加害者からも出してもらえたので精算できるので」
店長「それはよかったです、それなら代車を出せますよ」
私「え?代車が出るんですか?」
店長「購入が決定すれば出せます!!」

話はトントン拍子で進んだ。

事故により無職になった私には、新しいローン会社が用意されていた。新しいローンは保証会社のようなものが付き、支払いが滞った場合にはその会社に車の所有権が移る、という内容だった。
車は最速で納入できるという話の銀色のパレットにしたのだが、どういうわけか納車は1ヶ月後になるとのことだった。

心配していた代車はこの日にもう用意された。
代車は白いパレット、ディーラーの試乗車だったようだ。
ラジオすら無い本体のみの使用では遭ったが、私は
「これなら祖父母の通院に困らない」
と胸をなでおろしていた。
正直パッソではドアも車内も狭すぎて、祖父を抱えて車に入ることなどは出来ない状態だったので、そのために購入したパレットと同じ車が代車になったのはありがたいことだった。

少しだけ前進したと、この時は思っていた。

限界

もう限界なのかも知れない。

事故とは関係ない内科で医師に「誰か話せる人はいないか」と言われた。
事故とは関係ないことで、誰も信じられない自分がいる。
外向きにはこちらからは裏切らず、まずは信じる体で生きている。「囚人のジレンマ」の「しっぺ返し戦略」に近い。
だから誰も信じず生きてきたはずだった。
事故の前から信じられる人を失い、そして事故後も様々揺れ動き、なんとか仕事をできるようになってからは諦めて死ぬまで生きようと思ってきた。

それなのに信じられる人を見つけてしまった。
でもその人とは話せない。その人は仕事でたまたま私に当たれば話すけど、私は本当は苦しい時にこそ話さねば耐えられない。踏みとどまるためにはそうしないといけない。
でもそれが叶わない。

そこに医師からの「誰か話せる人はいないか」は辛すぎる。
どうにも出来ないから、ますます自分を止められなくなる。

帰り際、会計の時に、他の患者とトラブった。
どうしても思ってしまう。
見下されている、馬鹿にされている、否定されている、カタワで何も出来ないと決めつけられている、

また左目だけ涙をこぼす。これは事故に合う前から、この身体が13歳の時に起こった出来事に起因する私の異常だ。キチガイの類だ。

とうとう私の身体の最低ラインを下回ってしまった。装備品で誤魔化しているが、もう足らないのは気付いている。

薬を飲めば最低限には足りるようになる。
でもそれをすれば、悪意ない暴力に遭遇した時に耐えられなくなる。
「私は悪くない」「ワザとじゃない」「そんな強くやってない」
その悪意のない言い訳を聞いて、殺したくなる。こっちは悪意のない暴力で、左腕を、そして左半身を奪われるのだから。

13の時に壊され、17の時に少しでも足りるようにとしまた壊れ、20の時に壊れた残りを失い、32の時に本当は死んでおり、34の時に事故で残ったものも3分の1ぐらいに減らされた。

辛い時に話も出来ないのに、その人に約束を強いられる
私はそれに納得出来ないのに、それを裏切らないように踏みとどまりたくて、でも話ができないから暴走を止められない。自分の最後の堤防ももう足らなくなっているから。

出来ることなら、もうどうしようもなくなってしまう前に、また事故に遭って今度こそ死にたい。

電気治療で左脚に異常

昨日病院に行って痛み止めの注射と点滴、そしてトリガーポイント注射を受けてリハビリをしている時、電気治療の終わり掛けに変な症状が出た。

左足の土踏まずから親指に掛けてが硬直。
左足首の電気が終わった直後に発生し、次に終わる左膝の電気が流れている間、それが続いた。

電気が終わってもその状態で、立ち上がりレーザー治療に移動しようとしたら左太ももの裏も硬直していることに気がついた。

結果、左足を引きずって歩くことになった。

硬直しているのは足全体ではなく、左の土踏まずから親指までの筋肉?と、左ももの裏の筋肉のみなので、脚が動かないわけではない。
だが左足を踏み出してもちゃんと地に足が付かず、またももが上手く使えないため踏ん張ることも難しい。
だから左足を引きずって歩くしかない。薬局ではそれが原因で転倒仕掛けたが。

電気治療でたまにこういうのが出る。主に左腕、特に小指だが、今回は珍しく足のみにきた。

幸い数時間で回復したが、やはり悔しさが強く現れる。

かと言って電気治療をしないと、回復が悪くなる。
私の場合は電気治療で筋肉等の回復だけでなく、感じない左腕などの触覚が戻ることがあるので、電気治療をやめるわけにもいかない。

こうしてどんどん時間が吸い取られていく。
治療に加えて発作で奪われていく。
ただただ苦しく悔しく、誰にも分かってもらえず、また『大して痛くもないのに大袈裟な』と嘘つき呼ばわりされるのかもしれないと思うとやりきれない。

レンタカー

ようやく車をどうするかの目処が立った。

事故に遭った車を教職員共済からの120万円と修理工場下取りの5万円、そして加害者から出してもらった10万円で精算し、新たな車は新規にローンを組んで購入する。
3月17日の事故から1ヶ月近く経って、ようやく車の問題が解決する。

そう思った矢先、教職員共済から電話が来て予想外のことが告げられた。

教職員共済「車の件はどうなりましたか?」
私「加害者がなんとか不足分を出してくれることになり、なんとか事故車の精算は出来ることになりました」
教職員共済「それはよかった…それで新しい車はいつ納車ですか?」
私「5月中旬になると聞いてます」
教職員共済「あぁ…それはまずいですね…」
私「まずい?なにがです?」
教職員共済「いやぁ…レンタカーがもう終わりますよね…」
私「はい?なんのことですか?」
教職員共済「ですから事故後にレンタカーを手配してからもうすぐ30日ですので、もうレンタカーは出せなくなるんですよ…」
私「なんですかそれは、初耳ですけれど」
教職員共済「いやでもそういう決まりですので」
私「いやいやいや…あなたそんなこと言ってませんでしたよね?」
教職員共済「…」
私「解決するまでレンタカーの心配はしなくていいって言いましたよね?」
教職員共済「こんなに時間がかかるとは思っていなかったので…」
私「私最初に言いましたよね?パレット(事故に遭った私の車)は発売されたばかりで納車はおろか、部品調達も時間がかかるとディーラーから言われてるって、私説明しましたよね?」
教職員共済「ですが…」
私「その時にあなたが修理が終わるか車を買うまでレンタカーを出すって言ったんですよ?」
教職員共済「ですが30日という決まりがありまして…」
私「その説明一度でもしてくれましたか?私は一度もそんな話は聞いていませんよ?」
教職員共済「でも普通は30日と決まっていますので…」
私「契約している加害者はその情報知っているでしょうけれど、こちらは補償範囲とかなど聞かされなければ分からないわけですよ。だからこっちは状況を説明して時間がかかると言ったんです。それに対して問題ないとあなたは説明し、30日しかダメだとは一度も言っていませんでしたよね?」
教職員共済「ですがそういう決まりなので…」
私「決まりとかは分かりました。じゃああれですか?私に自分でレンタカーを借りろと言うんですか?」
教職員共済「そうなってしまいます…」
私「おかしいじゃないですか?あなたが大丈夫と言ったから安心してできるだけ急いで話を進めたのに、またこっちに背負えって言い出すんですか?」
教職員共済「そういうことは言っていませんが…」
私「でも自分でレンタカー代どうにかしろって言ってるじゃないですか」
教職員共済「でもそうなってしまうので…」
私「それともまた加害者にお願いしろって言うんですか?あんな嫌な思いをさせられてまた…」
教職員共済「でもこちらでは出せませんので…」
私「ならどうして最初に説明してくれないんですか?」
教職員共済「こんなに時間がかかるとは思っていなかったので…」
私「だからそういう口先だけの言葉なんてどうでもいいんですよ…信号待ちしていただけなのに事故に遭って、補修すると言うから信じたら、あれは出せない、これも駄目…覚えてます?メガネだってこっちが妥協してそちらの言い分に合わせてるんですよ?車だってそうです、どんだけ苦しめるんですか!?」
教職員共済「ですからご迷惑をお掛けして申し訳ないですが、こちらではレンタカー貸出から30日で終了ですので…申し訳ございません…」

その後、何を話しても「レンタカーは出せない」の一点張りだった。
車の購入に関してようやく解決したと思ったら、その納車までの足を私は失うこととなった。

叶わないこと

今日、病院で誰かに何かをぶつけられるかして、左腕の痺れと痛みが増し左手小指を使うことが困難になり、左腕の動きも制限された。

2階のリハビリで座って待っていた時、左首~左背中に衝撃を感じた。左半身の感覚が鈍いため(特に触覚)どの辺りか正確には分からないが、衝撃の後に指先まで痺れが広がったので何かされたのは間違いないと思う。

振り返ると年配の女性が腰のサポーターを外していた。サポーターが当たったのか、それを外そうとした手を当てたのか、それとも傍らにある荷物を当てたのか分からないが、直前直後に私の背後にいたのはその人だけなので間違いないと思う。私には何もなくても突然発作が出ることもあるわけだが、その際には痺れは走らず痛みだけか痛みも何もなく感覚全てがシャットダウンしてフリーズするかのどちらかだと経験則で知っているし、以前に何度も荷物や腕をぶつけられて発作が出た時の出方と同じだからだ。

痺れが広がり、左手~左腕は温度が下がり、左手小指~薬指の半分が痺れてうまく動かなくなっていく。左手の握力も下がり、左腕の可動範囲も狭まり、病院を出る頃にはジャンパーを普通に着ることもできなくなっていた。

しばらく睨んでいたが、当人は気にもとめずに隣の患者とバカ話をしている。

信じられないのは、サポーターを外すのも荷物を下ろすのも広い場所でやればいいものを、わざわざ椅子の間の狭いところにやってきて、しかも私の真後ろでそれを行ったことだ。

なぜ人にぶつかる可能性が高い場所にわざわざきて寄ってきてそれをやるんだ?

どうせ言ったところで「やってない」とか言うと知っている。
問い詰めても「悪気はないから」と被害者ぶることも知っている。
でもあなただって、身体が悪いから通院してきているのでしょう?
人それぞれ症状が違い、中には普通ならなんてことがないことでも大ダメージを受けるって、実を持って知っているはずでしょう?
その状況をマッサージの先生にキレながら説明していたら、嫌な物でも見るようなめで見やがって…こっちが視線を向けると知らんぷりしながら何度もチラチラと盗み見しやがって…お前のせいでこっちは身体を悪化させられているのに…

せっかくブロック注射でいくらか治まったのに、1時間と経たずにまた逆戻りさせやがって…

これを書いている今でも左手小指~薬指の動きは鈍く痛みと痺れは強い。
この痛みを消す術はない。
この気持ちを減らす術はあっても、それを私が手に入れることは叶わない。
なのに我慢しなければならない。
発作で痛みが暴れだすと、骨折や脱臼よりも痛むことがある。どうにもならない神経の痛み。
やられた分の痛みを相手にも与えたい…私が感じた分だけの痛みを味あわせたい…でもそれが叶わない…

不足分10万円

数日後、加害者に直接会って車の精算の不足分10万円を受け取ることとなった。

加害者「10万円用意してきました」

と封筒を差し出す。
受け取ろうとする私に加害者は言った。

加害者「お願いですからこれ以上請求しないで下さい…私だってもうお金無いんですよ…」

何を言っているのだろう、と思った。
お金がないのはこちらも同じだ。
いや、むしろ、自身の行動で事故を起こした加害者の金が尽きるのは自業自得でも、こちらは加害者の行動によって仕事も失い健康も害して、あげく過失ゼロなのに10万円を背負わされ掛けている。言うなれば「お金無い」はこっちのセリフだ。
だからそれを加害者が保証するのは当然であり、仮にそれで加害者自身が困窮したとしても被害者を優先するのは当たり前ではないのか?
それをまるで…これでは私がタカリか何かをしているかのようではないですか…なんでそんな言われようをされねばならないのだろうか…

私「そちらの犯した事故でこうなっているって分かってますか?」
加害者「それは分かっていますけど…」
私「別に過剰に請求しているわけではないんですよ。あなたのベルファイアが追突して廃車にするしかない私のパレットを精算して、自力で車を買い直すと言ってるんです」
加害者「でも…」
私「あなたが教職員共済が全て面倒みると言ったけどそうはならなかった。だから足らない分をお願いしたんじゃないですか?あなたも私の言い分に納得したからお金を用意したんですよね?」
加害者「…」
私「本当なら修理会社が特別に買い取ってくれることになった5万円だって、あなたが払って当たり前じゃないんですか?車が廃車になったのはあなたのせいなんですから…それなのになんで私が『たからないでくれ』と責められるんですか?」
加害者「分かりました、分かりましたから、まずは受け取って下さい」
私「不当に請求はしませんが、」
加害者「」

納得してはいないが、ひとまず封筒受け取り中身を確認する。

加害者「ですがなんとかこれ以上の請求は…」
私「…約束はできませんよ。教職員共済が保証してくれず足らない場合には相談するしかないですよね?教職員共済もあなたに相談してくれと言っていますし…それともあなたの犯した被害のツケを私に背負えと?」
加害者「それはそうですけど…僕ももう本当にお金がないんですよ」

これ以上話しても無駄なようだ。
そこで私はケータイのキャリアの変更に話しを振った。少しでも節約して無駄金を減らして欲しいと暗に提案するつもりで。

「ところでケータイを、ウィルコムにしてみるつもりは?」
加害者「え…でも番号変わると困るし…」
私「そんなの連絡すればいいだけてしょ。それに2台持ちで併用するだけでも君の場合は月に5000円は安くなるはずだよ」

以前、加害者とはケータイの話をしたことがあり、通話多用なのを知っていたための提案だ。
しかしどうにもしっくりこないようだ。表面上話を合わせて同調しているだけで、節約する意思がないように思われた。
事実、その後キャリア変更や2台持ちした形跡はなく、車も安いものに買い換えることもなく修理して使うという話だった。

結局、自分の生活を切り詰めるつもりはなく、被害者に保証すべき部分を減らして賄おうとしているように思えた。

だからどうしても訊きたかった質問をした。

私「ところで仕事は大丈夫なの?公務員で事故はまずいでしょ?」
加害者「なんとか同僚には隠し通せそうなんで…」
私「そっか、隠すんだ…でも生徒は?中学生の生徒たちにはどう説明するの?」
加害者「もちろん隠します!絶対にバラしません!!」
私「…」

この言葉は私にはとてもショックだった。
当たり前と言えば当たり前のことかもしれない。誰も自らの非を晒したくはないだろうし、隠せるものなら隠したいのかも知れない。

しかし中学教師がそれをするということは、生徒たち「人に被害を与えても逃げればいい、責任など取らずに知らんぷりすればいい」、と言っているように思えた。
当時、私の子供が中学生だったこともあり、私は彼の言葉を理解することが出来なかった。

結局、保証すると言ったのも反省したように見えたのもフリだけで、だから警察にも嘘の自供をし、被害者をタカリ呼ばわりして自分の財布を守ることに躍起なのだ。
そう思えた。

この日以降、加害者は一度も私からの電話には出れくれていない。
やはりそういう考えの人なのだろうと思った。

事故に遭った車の精算

事故に遭った車の支払い残金を精算するには、135万円が必要となる。
しかし相手の任意保険である教職員共済は120万円しか出さないと言う。こちらの過失がゼロでも全ては保証しないそうだ。
つまり15万円足らない。

そのことをディーラーに相談すると、
「修理工場が特別に5万円で下取りしてくれることになった」
と言ってきた。
全てのパーツを交換しなくてはならないって話だったのだが、それでも使えるパーツを見つけるつもりなのだろうか?
よく分からないが、とにかくこれであと10万円をどうにかすることとなった。

しかし私は今、無職だ。
事故により働けなくなった。
貯金もない…事故前に2年ほど祖父母の介護をしており職につけない状態で、実家が出してくれる4万円で光熱費や通信費等を払ってろくに食料も買えず、という生活で、祖父母の介護の際の食事のおこぼれをもらってかろうじて生きていただけ、貯金などあるはずもない。

これから自分でまた車を買うって時に、さらに10万円の負担を背負うのはかなり厳しい。

仕方ないのでダメ元で加害者に連絡をした。

電話を掛けて事情を話す。
私「私の考えではこちらの過失はゼロ、何1つ私に責任はないと考えているので、事故に遭った車の精算の一部でもこちらがするのはおかしいと思っていますが」
加害者「そのことは任意保険が全て面倒見るとお話しましたよね?」
私「その教職員共済が全額は出せないから加害者に相談しろと言ったんですよ」
加害者「そんなこと言われても…」
私「あの時、任意保険に任せるの他に、必ず賠償はすると言いましたよね?約束しましたよね?」
加害者「言いましたけど任意保険が全部やってくれると思っていたので…」
私「それが無理だからお願いしているんですよ」
加害者「そう言われても…こちらも辛いんですよ…」

私は思っていることをぶち撒けた。

私「こっちは非がない上に辛い目にあってますよ。新しい車はこちらでなんとかするから、事故に遭った車のことはお願いします、と言っています。私の過失はゼロなのに、事故を食らった車の残債まで背負わねばならないんてすか?」
加害者「それは…たしかにそうですけれど…」
私「あの時の言葉も嘘だったんですか?」

私のこの発言は、暗に事故直後とは違う説明を警察にしていたことを含めての言葉だったが、加害者に伝わったかどうかは分からない。

加害者「…分かりました、なんとかします」

こうして事故に遭った私のパレットの残債、その精算の目処がようやく立った。

車をどうするかを決めるも…

新しい病院で治療を開始して数日、何度か病院にいき、治療効果を実感していた。

左腕はまだ動く範囲が狭いが、左腕や首、左脇腹痛みは少しマシになった。
痺れは全く変わらないが、痛みの存在は感じるものの遠くにあるように感じるだけでだいぶ楽だ。
例えるならば、好きでもない音楽を爆音で鳴らされた時、すぐ近くなら苦痛だが、少し離れればうるさい程度で我慢できる。
治療を受けるとそんな感じの痛みになる。
ただ翌々日にはもう辛くなるので、週に3〜4回ほど通院すればの話だ。

これならもしかしたらもう少しマシになれるかもしれない。

そう考えた私は車についての決断をした。

教職員共済から出るはずのお金で事故に遭った車の残債を精算し、新たにローンを組んで新車を買う。

実家からの「祖父母を病院に運ぶために車を買え」との要求に応じつつ、事故に遭った車に関して区切りをつけ、そして治療に専念するために悩みの種を減らす、完璧なプランに思えた。この時はまだ治ると信じていたからだが…。

まずはそのことをディーラー担当に伝える。すると残債等を計算してくれ、135万円という数字が出た。
そこで教職員共済に電話し伝える。

私「車をどうするか決めました」
教職員共済「そうですか、良かった。早い方がいいですからね。買うのは中古にします?それともやはり新車てすか?」
私「買うのは新車ですが、お金を出して欲しいのは事故に遭った車の方です」
教職員共済「…」
私「事故に遭った車を一度精算して、その後で自分でまた車を買うことにします」
教職員共済「あぁ…そうですか…分かりました…いくらぐらいになりますか?」
私「調べてもらったら135万だそうです」
教職員共済「あぁ…そうですか…困りましたね…」
私「はい?何がですか?」
教職員共済「あのですね…120万円しか出せないんですよ…」
私「え?なんでですか?」
教職員共済「いちどでも乗ると中古車扱いになりますので…」
私「それは分かりますが、精算に必要な代金を支払ってくれるんじゃないんですか?」
教職員共済「ですからそこは決められた金額の中でやっていただくしか…」
私「いやいや、加害者は教職員共済が全て面倒みてくれると言ったから実際に必要な金額を出して下さいと言っているんです」
教職員共済「ですからそこは中古車の上限がありますので…」
私「それを言ったら世の中には新車は存在しないことになりますよね?新車の納車で即乗って事故起こしても中古車だ、と言うんでしょう?」
教職員共済「そう…なりますね…」
私「じゃあ私の新車が事故に遭ったのもウソだと言うんですか?」
教職員共済「いえ、けしてそんなことではないのですが…私共も悪意があって言っているわけではありませんので…」
私「ではこちらから悪意があって過剰に請求しているとでも言うんですか?信号待ちしていただけなのに追突され、仕事もなくして病院通いして、その上加害者の起こした事故のツケの一部を私に背負えと?」
教職員共済「けしてそういうことではないのですが…こちらの責任でもありませんので…」
私「じゃあどうしろと言うんですか?私に不足分を背負えと言ってるのでしょう?」
教職員共済「そういうことでは…では相手に直接請求してみてはいかがですか?」
私「加害者に?」
教職員共済「そうです。事故を起こした本人が支払うのが当たり前ですから」
私「でもその当事者が言ったんですよ?教職員共済が全て面倒見るって、被害も全て保証するって」
教職員共済「申しわけありませんが限度がありますので…」
私「じゃあ教職員共済では全額保証してくれないんですか…」
教職員共済「そうなります…申し訳ございません…」
私「じゃあもし事故に遭った車のローンを払い続けて新たに買う車の代金を払ってもらうとしたら?」
教職員共済「金額は同じになります…」
私「…つまりは新車は無理ってことですか?あるいはもっと安い車で我慢しろということですか?」
教職員共済「申し訳ございません…やはり一度でも乗った車は中古車ですので全額は保証できないんですよ…」
私「わたしは事故前の状態に回復してもらいたいだけですよ?実際に135万円掛かるんです、事故を食らった車を精算するだけでも。しかもこちらに過失がないのに、足らない文は被害者が背負うのが当たり前と言うんですか?」
教職員共済「申し訳ございませんが、車両に関してはそうなります」
私「車両だけでなくメガネでも何でも安くしろ安くしろ言われて従って、その上で金出せと言うんですね?」
教職員共済「いえ…そういうわけではないのですが…一度落ち着いてディーラーさんと加害者さんに相談されてみてはいかがですか?」
私「何を言っても120万円しか出さないと言うことですか?」
教職員共済「これでもだいぶ上積みしてあげたんですよ?こちらも頑張って出してあげてるんですよ?」
私「いくら上乗せしようと足らないなら私に出せと言うことですよね?こちらはただ信号待ちして停まっていただけなのに…」
教職員共済「申し訳ありませんがこちらもどうにも…」
私「分かりました、仕方ないので加害者に相談します。ほかのこともこの調子で保証してはもらえないんですか?」
教職員共済「他のこと…と申しますと?」
私「生活保証とか…私は働けなくなってるんですよ…」
教職員共済「そちらはご安心下さい。事故前の生活は保証しますので」
私「車代を追加で払わなければならない時点で金銭的負担は増えるので、収入を保証されても事故前の生活には戻れませんけどね」
教職員共済「…申し訳ございません…」

このようなやり取りでこの日は電話を切った。

全パーツを交換して修理しても事故車のローンが残って3年後の車検が通らない可能性が高く、事故に遭った車を精算するにも身銭を切らねばならない。
仮に教職員共済からくるお金で新車を買うにしても同じ車種では金額が足りず、だいぶグレードを落とした車種にしない限りは身銭を切ることとなり、その範囲内で中古車を買ったとしても車検は新車より短くなり、そのどれらでも事故に遭った車のローンを払い続けることとなる。

結局、被害者が加害者の罪のツケを被るのだと、私は知った。

いまさら自己紹介&更新情報

いまさらなんですが、自己紹介など。

ハンドルネーム「りうか」、書き物の時のペンネーム「紫緑龍化」です。
このブログでは「紫緑龍化」での記事作成となります。

八戸生まれの八戸育ち、現在は某会社にて働いています。

2008年3月17日に遭った交通事故の後遺症で、今でも月に5回以上整形外科に通って治療とリハビリしています。治すための治療と言うより、これ以上悪化しないための治療です。完治はせず、地味に悪化していて、神経ブロック注射で痛みをごまかして治療費を稼ぐために仕事をしている状況です。

このスペースでブログを書く前にも、事故のブログを書こうとしたことがあります。
しかしやはり精神的な負担が大きかったため断念…というか、身体と頭と、もしかしたら少しは残っているかも知れない心が拒否するんです。
でも事故から丸10年を数えるに至り、やはり無かったことにするのは悔しくて、再度書き始めました。

ゆえに更新頻度にムラがあります。ブログ開始から1年過ぎても、まだ事故発生から1ヶ月後を迎えられないほどです。嫌な事例が怒涛のごとく立て続けに起こっていたことも理由ではありますが…

本当はすべてを実名で書こうと思っていました。自分はもとより(私の場合はネットの某所で普通に本名晒してますけど)、加害者の名前も書こうと思っていました。
勝手に書くことも出来ますが、いちおう本人に通知し可能であれば了承も得たく思っていました。
しかし事故後、車両生産代金不足分をお願いし応じてもらって以降は、電話に一切出てくれなくなっています。これまで10回以上、たぶん20回ぐらいは掛けているんですが、あれ以来一度も電話に出てくれないです。

悩んだ末に、現状実名は出していません。加害者本人への影響はどうでもいいのですが、周りの人への配慮です。

だから自己紹介はおろか、管理者名も出すつもりがなかったんですけれど、ちょっとした心境の変化というか心理的なストレスを理由に出すことにしました。

管理者名を公開したことで、問い合わせフォームも設置しました。PC版表示では左のメニュー部分の一番下に、スマホ版表示では「≡」みたいな漢数字の三に似たマークで開いたメニューの一番下です。
利用する人なんてまずいないでしょうが(そもそもこのブログを見ている人が皆無でしょうが)、昔からHP作成時に管理者名を公開する場合には自身への連絡手段設置は当然だとおもっていたため、このように致しました。

このブログを公開しても何も変わらないと思っています。
加害者はやったもん勝ちで、私を助けることなど今後永遠に無いでしょう。それどころか事故など起こしていないと、一生誰にも話さず隠し続ける所存であると、私は知っています。まだ記事にしていませんが、事実として本人からそういう発言を聴き出していますので…残念ながらそれが現実です。
事故でも事件でも、被害者が馬鹿を見ます。「加害者にも権利がある」みたいに言う人もいますが、被害者はやられた側なのに、まるで被害者本人も悪いかのように何度も何度も言われます。

だれか一人でも知ってもらえればと、そう思っています。