4月17日

突然遭遇した交通事故からちょうど1ヶ月後の4月17日、いつものように病院に行き、夕方に実家を訪れると、部屋に祖父がいなかった。
危篤となり緊急入院したとの話だった。

急ぎ病院へと向かう。

ベッドの上の祖父は呼吸器を付け眠っていた。
呼びかけにも反応しない。ただ呼吸器により息をしているだけ。
呆けていろんなことを忘れていったが、最後まで私のことは分かっていた祖父だったが、結局亡くなるまで意識が戻ることはなかった。

実家に戻ると二親からこんなことを言われた。

「落ち込むとかわいそうだから、ばぁちゃんとお前の子供は見舞いに連れて行くな」

私はこの言葉が理解できなかった。
本人の意志はいいのか?
かわいそうかどうかは周りが決めることなのか?
それは単に落ち込ませたら自分が悪いことをしたと思うから言っているだけではないのか?

だから私は祖母に訊いた

私「じさまいなくなっただろ?」
祖母「今日は見てないね」
私「病院に入院している。良くないみたいだ」
祖母「はぁ…」
私「どうする?会いに行くか?」
祖母「…行きたいね」

私の子供も同じ答えだったので、私は二親の言葉を無視して祖父の入院する病院に連れて行った。

祖母は祖父を見て顔を撫でて、

祖母「もう駄目だね」

と言った。

帰りに車の中で祖母は言った。

祖母「あれはもう長くないね…駄目だね…近い内にそうなるから、悪いけど葬式とかお願いね…ばぁちゃんはもう弱って座っていることも辛いから全部任せるよ…」

祖父は2008年4月26日に亡くなった。

祖母は葬儀には出ず、棺に入った祖父の顔を何度か眺めただけだった。

祖父母の通院のために買ったスズキのパレット。
納車から半月で事故に遭い、そのまま廃車となり、それに一度も乗ることなく祖父は死んだ。
葬儀の合間にも通院しなければならないのが苦しかった。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です