車をどうするかを決めるも…

新しい病院で治療を開始して数日、何度か病院にいき、治療効果を実感していた。

左腕はまだ動く範囲が狭いが、左腕や首、左脇腹痛みは少しマシになった。
痺れは全く変わらないが、痛みの存在は感じるものの遠くにあるように感じるだけでだいぶ楽だ。
例えるならば、好きでもない音楽を爆音で鳴らされた時、すぐ近くなら苦痛だが、少し離れればうるさい程度で我慢できる。
治療を受けるとそんな感じの痛みになる。
ただ翌々日にはもう辛くなるので、週に3〜4回ほど通院すればの話だ。

これならもしかしたらもう少しマシになれるかもしれない。

そう考えた私は車についての決断をした。

教職員共済から出るはずのお金で事故に遭った車の残債を精算し、新たにローンを組んで新車を買う。

実家からの「祖父母を病院に運ぶために車を買え」との要求に応じつつ、事故に遭った車に関して区切りをつけ、そして治療に専念するために悩みの種を減らす、完璧なプランに思えた。この時はまだ治ると信じていたからだが…。

まずはそのことをディーラー担当に伝える。すると残債等を計算してくれ、135万円という数字が出た。
そこで教職員共済に電話し伝える。

私「車をどうするか決めました」
教職員共済「そうですか、良かった。早い方がいいですからね。買うのは中古にします?それともやはり新車てすか?」
私「買うのは新車ですが、お金を出して欲しいのは事故に遭った車の方です」
教職員共済「…」
私「事故に遭った車を一度精算して、その後で自分でまた車を買うことにします」
教職員共済「あぁ…そうですか…分かりました…いくらぐらいになりますか?」
私「調べてもらったら135万だそうです」
教職員共済「あぁ…そうですか…困りましたね…」
私「はい?何がですか?」
教職員共済「あのですね…120万円しか出せないんですよ…」
私「え?なんでですか?」
教職員共済「いちどでも乗ると中古車扱いになりますので…」
私「それは分かりますが、精算に必要な代金を支払ってくれるんじゃないんですか?」
教職員共済「ですからそこは決められた金額の中でやっていただくしか…」
私「いやいや、加害者は教職員共済が全て面倒みてくれると言ったから実際に必要な金額を出して下さいと言っているんです」
教職員共済「ですからそこは中古車の上限がありますので…」
私「それを言ったら世の中には新車は存在しないことになりますよね?新車の納車で即乗って事故起こしても中古車だ、と言うんでしょう?」
教職員共済「そう…なりますね…」
私「じゃあ私の新車が事故に遭ったのもウソだと言うんですか?」
教職員共済「いえ、けしてそんなことではないのですが…私共も悪意があって言っているわけではありませんので…」
私「ではこちらから悪意があって過剰に請求しているとでも言うんですか?信号待ちしていただけなのに追突され、仕事もなくして病院通いして、その上加害者の起こした事故のツケの一部を私に背負えと?」
教職員共済「けしてそういうことではないのですが…こちらの責任でもありませんので…」
私「じゃあどうしろと言うんですか?私に不足分を背負えと言ってるのでしょう?」
教職員共済「そういうことでは…では相手に直接請求してみてはいかがですか?」
私「加害者に?」
教職員共済「そうです。事故を起こした本人が支払うのが当たり前ですから」
私「でもその当事者が言ったんですよ?教職員共済が全て面倒見るって、被害も全て保証するって」
教職員共済「申しわけありませんが限度がありますので…」
私「じゃあ教職員共済では全額保証してくれないんですか…」
教職員共済「そうなります…申し訳ございません…」
私「じゃあもし事故に遭った車のローンを払い続けて新たに買う車の代金を払ってもらうとしたら?」
教職員共済「金額は同じになります…」
私「…つまりは新車は無理ってことですか?あるいはもっと安い車で我慢しろということですか?」
教職員共済「申し訳ございません…やはり一度でも乗った車は中古車ですので全額は保証できないんですよ…」
私「わたしは事故前の状態に回復してもらいたいだけですよ?実際に135万円掛かるんです、事故を食らった車を精算するだけでも。しかもこちらに過失がないのに、足らない文は被害者が背負うのが当たり前と言うんですか?」
教職員共済「申し訳ございませんが、車両に関してはそうなります」
私「車両だけでなくメガネでも何でも安くしろ安くしろ言われて従って、その上で金出せと言うんですね?」
教職員共済「いえ…そういうわけではないのですが…一度落ち着いてディーラーさんと加害者さんに相談されてみてはいかがですか?」
私「何を言っても120万円しか出さないと言うことですか?」
教職員共済「これでもだいぶ上積みしてあげたんですよ?こちらも頑張って出してあげてるんですよ?」
私「いくら上乗せしようと足らないなら私に出せと言うことですよね?こちらはただ信号待ちして停まっていただけなのに…」
教職員共済「申し訳ありませんがこちらもどうにも…」
私「分かりました、仕方ないので加害者に相談します。ほかのこともこの調子で保証してはもらえないんですか?」
教職員共済「他のこと…と申しますと?」
私「生活保証とか…私は働けなくなってるんですよ…」
教職員共済「そちらはご安心下さい。事故前の生活は保証しますので」
私「車代を追加で払わなければならない時点で金銭的負担は増えるので、収入を保証されても事故前の生活には戻れませんけどね」
教職員共済「…申し訳ございません…」

このようなやり取りでこの日は電話を切った。

全パーツを交換して修理しても事故車のローンが残って3年後の車検が通らない可能性が高く、事故に遭った車を精算するにも身銭を切らねばならない。
仮に教職員共済からくるお金で新車を買うにしても同じ車種では金額が足りず、だいぶグレードを落とした車種にしない限りは身銭を切ることとなり、その範囲内で中古車を買ったとしても車検は新車より短くなり、そのどれらでも事故に遭った車のローンを払い続けることとなる。

結局、被害者が加害者の罪のツケを被るのだと、私は知った。

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