事故後の初出社

事故後の初出社はいろんな意味でストレスだった。
派遣会社からは事故の説明を禁じられている。
でも派遣先ではおそらく、事故について聞かれないはずがない。
そもそも私の体がおかしいことを伝えねば、何かあったときに大問題となるのは目に見えている。

会社に到着すると上の人が待ち構えていた。
事故の状況や体のことを聞かれ、私は正直に話す道を選んだ。
こちらに過失がないこと、車は廃車になる可能性が濃厚であること、体に異常があるが医者には問題ないと言われたこと、包み隠さずに話した。
上の人は私の話をを信用してくれ、
「もし途中で具合が悪くなったりしたら、遠慮せずにすぐに作業をやめて休憩していいから」
と言ってくれた。ありがたい話だ。

現場に入ると、そこの上司が待ち構えていた。
何か言われるかと思ったが(普段からいろいろと指摘されていたので)、あまりこまごましたことは言わずに細かい注文もせずに、ケガの無いようにと言ってきた。
そして工場内は私一人になった。

私の仕事はマシン金属加工のオペレーター、のような仕事だ。夜8時から朝8時までラインを動かし、製品を作り続けるのが私の役割。その間、工場にいるのは私一人となる。

夜8時に私の仕事開始後、すぐに正社員は帰宅し一人となる。
首と左腕の痛み、不自由さはあるものの、最初の内はなんとか仕事をこなしていた。
しかし30分ほど経過した時、突然それは起こった。
左腕が動かない…指先も痺れが強まりうまく材料を掴めない…
右手でフォローしようとするが間に合わず、機械の中に材料を落としてしまう。
機械の停止を確認した後になんとか右手で拾い出すが、表面に傷が付き、もう製品にはならない。
再度材料をセットしようと試みるも、右手だけでは上手くはめられず落としかける。
悔しいがその機械での作業は断念し、小物の製品に注力しようとした。
しかしそちらでも不良品を出してしまう。片手で治具に押さえ付けながら固定具で止めるのだが、それが上手くできない。
動かない左手を肩を押し込む形で押さえてるが動かない左腕に集中しているものの固定する時に動いてしまい、製品の穴の位置がズレてしまう。
それを繰り返している内に痛みと痺れ耐えきれないほどになり、9時前には作業できなくなった。

今思えば不思議だが、あの時の私には夜間の緊急連絡先が知らされていなかった。これまでにも機械の不具合で朝5時近くに作業できることがなくなり、そのまま朝8時まで待つしかなかったこともあった。
派遣先がそうだし、派遣会社の担当に至っては午後8時どころかその前には電話受けてもらえないのが分かっているので、家に帰るわけにもいかず、ただただ朝の8時まで待機しなくてはならない。
痛いし辛いし苦しいし悔しいし、そればかりを繰り返し思って朝までただ耐えていた。

8時が近付き社員が出社し始める。
状況を伝えて謝罪する。
特に咎められることもなく「仕方ないよ」と慰めの言葉をいただく…情けない…。

こうして私のこの会社での仕事は終わった。

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